君に声届くまで。



『あり、あ、ありがとう』


驚きで手が震えてしまって、
変なふうに送信してしまう。


隣でふふっと笑う明君に、
私は更に顔を赤くした。


どうしよう。
最初からこんなんで、
気持ちなんて伝えられるのかな…。


そんな事をぼんやりと考えていると、
気がついたら視界から瞬と希望がいなくなっていた。


「って、あれっ!?」


あたりを見渡す。

といっても、私は背が低いので、
人に阻まれてしまって、全く見渡せていない。


『瞬たち、いなくなっちゃったね…』


明君の言葉に、私もコクりと頷いた。


『電話してみるね』


私は瞬に電話をかけた。