女子の買い物を待っている間、
俺たち2人はショッピングセンター内のカフェに来ていた。
虹心への気持ちを聞いてしまったから、
明と2人きりというのは、
ひどく気まずく感じた。
当の本人は、
全く気にしていないって感じだし、
学校でも、特に何もなかったけど…。
はぁ、と深く息をついた。
気がかりなのは、
それだけじゃない。
明の家に泊まって勉強をした帰り道、
虹心に、言われた言葉……。
"明君は、好きな人いるのかな?"
いつもはハキハキと喋る虹心の声が、
どこか、震えていた。
"…さぁな。……お前、明のこと好きなの…?"
聞きたくなかった、
でも、聞いてしまった…。
そう問えば、虹心はただ、
俯いて、うん、と呟いた。