君に声届くまで。



「の、希望、やっぱり瞬のこと…」


この前、瞬が言ってた、
浴衣は紫が好き、と。


「な、なに言ってんの?違うって!あたしは毎年紫なの!」


希望はいつもの顔に戻って、
無邪気に笑った。

本当に、違うのかな?

瞬と希望、
絶対にお似合いだと思うのに…。


「ほ〜ら!今日の主役はにこっちなんだから、早く決めよ!」


「あぁ!待って〜」


楽しそうに浴衣を見ていく希望に、
私はそれ以上何も聞けなかった。