お風呂から上がった私と希望は、
キッチンに立っていた。
明君のお母さんがカレーライスを作る横で、サラダを作っている。
「じゃあ、虹心ちゃんや希望ちゃんは、明と初めて同じクラスになったの?」
明君のお母さんが私たちに尋ねる。
幼さを象徴するような、可愛いタレ目。
長いまつ毛。整った輪郭。綺麗に巻かれた髪。すらりと伸びた手足。
……なるほど、明君の端整な顔は、
お母さんから受け継いだものなのか…。
妙に納得してしまう。
「そうなんです。にこっちがほんとに芹沢君にべったりなんですけどね」
希望がキャベツを千切りにしながら、
クスクスと笑って言う。
「ちっ、ちがっ…!!」
私は顔を真っ赤にして反論する。
確かに、最初に明君に声をかけたのは私だけど…。
「あら、そうなの?嬉しいわ〜、おばさん」
明君のお母さんも、
連れるように、クスクスと笑う。