『で、なんなんだ?さっきのアレは』



ベッドに寝転んで参考書を広げていると、
ブブッとスマホが振動して、
瞬からの着信を知らせた。


虹心や成宮さんがお風呂に入っている間、
僕と瞬は、お互い僕の部屋で自由に過ごしていた。


LINEを読んでみると、そんなことが書かれている。


『さっきのアレ?』


僕はソファに横になってスマホをいじっている瞬を一瞥する。

瞬も、僕をジッと見つめた後、
脱力したように笑う。


『さっきのあの、秘密ってやつだよ。虹心と何があったんだ』


瞬がスマホの画面に視線を戻すと、
またLINEが届く。


『別に、何もないよ』


そう返すと、僕はまた参考書を1枚めくった。

参考書、といっても中学の関数。

ご飯の後に、また虹心に数学を教える時間がある。
やっぱり、虹心は中学の関数からやった方がいいかな。

そんな計画を立てていると、
またLINEがきた。