「ふふふ!分かりやすいなぁ、にこっちは」


クスクスと肩を揺らす希望。
希望…私の事からかってる…!


「でも、そういう事だよ、にこっち。好きなんて本当に分からないものだけど、にこっちのはどう見ても恋だね」


恋。
私が、明君に。


「どう…しよう…希望…」


私は、この感情に不安を抱き、
希望に助けを求める。


「応援するよ、にこっち。……あたしも、にこっちと芹沢君がくっついてくれたら都合がいいし……」


希望の言葉に、えっ?、と聞き返す。


「ううん!なんでもない。まずはお祭りね…。そこで芹沢君の心をGETすれば……!!」


ブツブツと計画を立てている希望に、
私は1人立ち昇って行く湯気を見上げた。

これから、どうなっちゃうんだろう。

明君への気持ちに気づいてしまった私は、これから、どうすればいいのだろう。


「私、明君が……好きなんだ…」


私が呟いたその言葉は、
湯気と一緒に昇って消えた。