君に声届くまで。



字可愛い!


出てきた感想のまま明君を見ると、
明君は数学の教科書を指さした。



あ、一緒に見せてくれるから、
机くっつけてってことか…!



自分の読解力のなさに絶望しながら、
明君に言われたとおりに机を近づける。


明君も机をグッと近づけてくれる。


なんか小学生に戻った気分だなぁ。


私はメモ帳の端に


『ありがとう』


と書いて明君に見せる。


明君はそれを読むと、
教科書の端に


『いえいえ』



と書いた。


文字は可愛くても、
教科書の端に書いちゃうとことか、
やっぱり男の子だなぁ。


私はふわふわした気持ちのまま、
数学の授業をなんとなく終わらせた。