───── 春。
私は春が一番好きだ。
だって、出会いの季節だから。
私は、昇降口に張り出された
高校生活最後のクラス発表の掲示板を見上げようとした、その時。
「にこっちー!!」
聞き慣れた声の主に、
突然後ろから抱きしめられる。
「ちょっ!希望!」
その声は、
高校に入ってからの私の親友。
成宮希望のものだった。
「にこっち、また、あたし達同じクラスだよ!」
希望は嬉しそうにピースをして
私に告げた。
「えっ?ほんとに!?よかったー!」
私は安堵の声をあげる。
希望が一緒じゃなかったら、
完全に孤立してたよぉ〜…
私達は、会話を弾ませながら
新しいクラスに足を踏み入れた。