「……どぅ…いぅこ…と?」


 
 声が震えて上手く発することが出来ない。

 




「……僕は…“白血病”なんだ…」



「……っ…」



 なぜだろう?




 泣くのはあたしじゃなくて白石くんのほうなのに。


 悲しくて辛い白石くんのほうなのに。




「……泣かないで…?」




 白石くんの手が、あたしの頭の上にのる。


 大きくて、ゴツゴツした男らしい手。




 こんな男らしい手の白石くんが……病気…?






 ありえないよ。……そんなこと、絶対に…絶対にない。




 そんなこと……あるわけない、のに…。






 なんで……涙が出てくるの?