空になったキミへ





「おい、調子のんのもいい加減にしろよな?黙って聞いてりゃ好き勝手なことばっか言ってさー」

 

 それは、磯原くんじゃんか。




「別に……女だからって手加減しないけど」


 えっ……ウソだ。


 本当にボコられる。どうしよう。


 

 磯原くんが拳を握った。


 
 あたしに殴りかかろうとしてる。


 ヤバいっ!



 あたしは途端に目をつぶった。





 その時。


 ______ガタッ




 誰かが席を立った。



 その音はあたしの隣から聞こえ、振り返ると白石くんが立っている。





「……うわっぁ」



 突然過ぎでビックリした。


 だって、白石くんがあたしの腕を引っ張ったのだから。