賑やかな教室。
机を挟んで会話をしている人や、なにか面白いことをして場を盛り上げている人。
そこのキャーキャー言って話している女子は、恋バナでもしているんだろう。
そんな教室で読書をしているあたし。
あたし、神崎紫花(カンザキアイ)。今年から高校三年生になる。
出席番号は七番で、席は一番後ろの窓側から二番目。
席は、先生が適当に決めたみたい。
だから、男子同士、女子同士の隣もある。
なぜか、一番後ろの窓側は座る場所がない。
だからあたしは一人席。
まぁ、そのほうが楽なんだけどね。
さっき『一人席ってかわいそう』とか言われたけど、
みんなが嫌がるなら、一年間ずっとこの席でいいのにな。
「紫花ちゃーん。見て、これカワイイよね?」
「うんカワイイ。しかも、早妃ちゃんにスゴい似合ってる」
笑顔で言うあたし。ていうか、作り笑いになってると思うけど。
「ほーらやっぱり。紫花ちゃんも言ってるもーん」
「紫花ちゃん、本当に思ってるー?」
「本当だって!」
「ありがとう、紫花ちゃん!」



