空になったキミへ






「お前さぁ、みんなに嫌われてんだよ?こんなにも!」



 勝手にみんなとか言わないで欲しい。


 あたしは嫌ってないのに。


 


「おい、そんなに空を見んのが楽しいのか?はぁ……バカじゃねーの。なんかだっせー」



 白石くんは一切相手にしていない。





「お前って、なんでいっつも体育の授業休んで保健室にいるわけ?しかも欠席率多いし。おまけにまだ長袖でブレザー羽織ってるしさ。なに?病弱ぶってんの?俺ってー、体弱いの~。的な?」



 磯原くんがバカにしたように笑いながら言った。


 
 磯原くんも懲りないだろうか。


 なんて負けず嫌いなんだろ。



「………」



「なんかお前ロボットみてー!ずっと空見てても、俺がこんなにもお前に話してても、表情一切変わんねーから」


 ロボットだなんて……白石くんはちゃんと人間なのに。

 

 雨空を眺めていた時、悲しい顔をしてた。


 ちゃんと、人間の表情をしてたし。




「おーいロボットくんー!」



 磯原くんがサイテーだよ。