空になったキミへ





「……今僕なんかに関わったら………キミが悲しくなるだけ」



 下を向いている白石くん。


 表情が……よく見えない。



「白石くん?…どういう意味?」



「…キミは…身近な人が死んだら……悲しい?」



 白石くんがこっちを見ながら聞いた。



「へっ?…う、うん。自分の身近な人がいなくなったら………嫌、だよ?」



「……そっか。それが…クラスメート、でも?」



「……うん…クラスメートだって…自分の身近な人…だから」




「……そう………。それなら…キミは……僕と関わらないほうが…良い」



 今度は、いつものように空を眺めながら言った。


「……へっ?」 



 なんでだろう?


 今の白石くんの目は、今日の雨空を眺めてる時のように




 ……悲しそうな目をしている。    




「……」 



「…えっちょっと、白石くん!白石くん!」







 白石くんは、そのままどこかへ行ってしまった。