空になったキミへ





 少し鼻にかかった透き通る声。


 ……これが、白石くんの声なんだ。



 なんか自己紹介以来。



 あの時しっかり聞いてなかったんだよね、あたし。


 だから、今初めて聞いた感じがする。

 

 と、とりあえず、返事しなきゃ。





「な、なに?……」



 なんだろう。いざ白石くんと会話するってなると、なんか緊張するなぁ。




「……どうしてキミは……僕に話しかけるの?」



「……えっ?ど、どうしてか?……えと、その………」



「やめて」



「えっ……」


 やめてって……どういうこと?





 白石くんにとって、あたしの行動は……迷惑だったの?



 まぁ…そっか。そうかもしれない……けど………。