空になったキミへ






 あたしは、白石くんばっかり見ていて

 また授業に集中することが出来なかった。


 


 でも、それで気づいた。



 灰色の空を眺めている白石くんの目は、とても悲しそうな目をしている。





 なんだろう。あんまり人に興味のないあたしが、なんか分かんないけど


 白石くんのことを………知りたいって思ってる。



 どんなことを思ってるのか、どんなことを考えてるのかが気になってしょうがない。




 あたしは、小さな声で白石くんに聞いてみた。


「ねぇ、白石くん。さっきからずっと空を眺めてるけど、なんでそんなに空を眺めてるの?」



「……」



「ずっと空を眺めてて、飽きないの?」



「……」



 あたしの質問に、答えは返ってこなかった。


 


 白石くんは、みんなと仲良くしたくないのかな?


 もしかして、過去になんかあったとか?


 空に関係してる、なんか、辛い過去とか?


 それだったら、あたしが口挟むことないよね。



 けど、諦めたくない。


 あたしがこんなにも知りたいって思ったの、白石くんが初めてだもん。




 だから、あたしは諦めない。