空になったキミへ





「起立。礼」




  _________________ポツポツ


「……ん?あっ雨」


 


 いつの間にか雨が降ってる。


 空は晴れてるから気づかなかったなぁ。




 お天気雨、かな?







「ねぇ!白石くん」




 白石くんに話しかけてきたのは、


 クラスのムードメーカーである、磯原狛斗(イソハラハクト)くん。




「俺、磯原狛斗!狛斗って呼んで!」



「……」



「おーい。白石くん!」



「……」



「ねー聞いてる?」



「……」



「ねーってば!」




  ______ガタッ


「……っ」




 白石くんは、大きな音を立てて教室を出ていった。 





「……なにあいつ。挨拶くらい言えよ」




 磯原くんは、イライラしながら自分の席へ戻ってしまった。




 そうとう白石くんのことが、気に食わなかったんだろう。


 まぁ確かに、白石くん少し態度悪かったからなぁ。






 磯原くんは、白石くんに馴染めそうにないね。







 あたしも……馴染めそうにないや、白石くんに。