空になったキミへ






 本当に朝から騒がしい。


 何事?なんの騒ぎ? ……気になる。







 その時、早妃ちゃんがスキップをしながら教室に入ってきた。



「早妃ちゃん。朝から騒がしいけど、これってなんの騒ぎか分かる?」



「えっ?紫花ちゃん知らないの?実は!今日、ここのクラスに転校生が来るんだって」



「へっ?この時期に?」



「それな!早妃も思ったの。それだったら、始業式の日に転校生として来れば良かったのにって。それで事情を聞いたら、本当は始業式の日に来るらしかったみたいなんだけど、なんか家の事情で今日になったらしいの」




「……そうなんだ。詳しくありがとう」


「ううん。どーいたしまして。あっ!みなみ来た。みなみー!」



 あの二人、本当仲良いな。ザ親友って感じ。





 ていうか転校生って、本当この時期にって思うよ。


 ……もしかしたら、あたしの隣の席が空いてるのって転校生が座るため、とか?





 どうしよう、あたし人見知りだから……





 とりあえず『よろしくね』とかは言っといたほうが良いよね。