私はドアに向かって歩き出した。 もちろん金髪野郎たちがいるのとは反対側のドアに向かって。 「おい、いい度胸してんな、風浦葉月」 なにも聞こえない。 大丈夫、なにも聞こえない。 そして教室を出て、そのまま帰る、 つもりだったのに。 「だめだよ〜無視しちゃ〜。龍牙怒るとめんどくさいからさ〜、はい、葉月ちゃん確保♡」 さっきまで金髪と同じ所にいたオレンジ頭が、私の鞄を掴んだ。