わかってる。

……わかってるから、大丈夫。

ミオが俺に望んでいるものは幼馴染だけだと。



それを捨てても、他の男たちと同じラインに立てることはないとわかっているから。



だから────だけど、



「なっちゃん? 痛いよー」



腕の中に閉じこめた彼女は、あまりにも細く小さい。

簡単に捕まえられて、逃がさずにそのままでいられる。



だけど、本当に捕らえることはできないんだ。



「お前みたいなめんどくせぇ幼馴染、他にはいねぇよ」

「えー? ひどいなぁ」

「そんで俺以外にお前と幼馴染としてやっていけるやつなんて、いねぇんだからな」

「えへへ、うん。……ありがとう」