〜桃花side〜


家に帰って勉強をしていると、冬翔から電話がきた。


『桃花? 俺だけど』


「……オレオレ詐欺? 冬翔」


『違ぇよ。明日、いつもの駅で10時だ。またな』


「あ、ちょっと待っ……切れた……」


聞きたいことあったけど、まあいっか。翌日、私は待ち合わせ場所にいった。冬翔は珍しく早くきていた。……カッコいー……。


「おーい、冬翔〜! お待たせ!」


「ん。じゃあいくか」


「うん!」


私達は電車に乗って映画館にいった。……ていうかこの映画館、チケットがないと入れないらしいところだけどどこで手にいれたんだろう……。


「桃花、どれみたい?」


「うーん……じゃああれ!」


私が見たいといったのは恋愛系のホラー。私達はチケットを店員に渡し、中にはいった。売店で食べ物等を買って席に座った。数分後、映画が上映された。見たい映画が見れてよかった〜、しかも好きな人ととか超嬉しい……。そう思いながら右に置いてある飲み物をとって飲んだ。


「……桃花、それ……俺の」


「え!? あっ、本当だ、コーヒー……! ご、ごめん……」


「いや、大丈夫……」


冬翔はそういって腕で顔を隠した。……あ、間接キス……!!私は恥ずかしくなって顔や体が熱くなり、じぶんのジュースを飲んで体を冷ました。それから30分後……。


「……冬翔、寝てる……?」


隣に座っている冬翔は腕を組んで眠っていた。すると冬翔はだんだんこっちに傾いてきて、私の肩に頭が乗っかった。


「ひゃっ、……冬翔?」


……しょうがない、寝かせておこう。……髪サラサラだな……睫毛も長くてキレイ……って、映画見ないと!それから映画が終わるまでずっと冬翔は眠っていた。