狐と嫁と溺愛と

そして、力のコントロールができなくなってる大河さんには、お父さんが山のように仕事を持ってきた。



「社長は急病、花嫁さんの覚醒が終わるまで自宅療養ってことにしときましたんで」

「助かる。で、妹は元気か?」

「まぁ、ぼちぼち?ほったらかしにしてた時間が長かったもんで、拗ねてますけど」

「そうか、よろしく頼む」



ん?



妹って、大河さんの妹?



どうしてお父さんがよろしくされるの?



「妹さんとお父さん、どんな関係なの?もしかして高島さんみたいな?」

「いや、ジローは俺の妹の恋人だ」

「んぇっ⁉︎お、お父さんっ、彼女いたのっ⁉︎」

「言ってなかったのか?」



知らなかったよ‼︎



女の影なんて全くなかったじゃん‼︎



「ナナのこと育てるにあたって、そういう類のことは禁止だったんでな」



どうやら、お母さんとの約束だったみたいで、あたしの後見人となったお父さんは、他に母親を作ってはならないと言われたらしい。



母親は自分だけだと。



あたしの存在が他の種族にバレないようにするためと、同族との連絡も最小限にしてきたって。