数百年前、妖の元へ来た小さな女の子。



それは神様の子ども。



その子が覚醒する前、あたしと同じような現象が身体に起こったと。



だけど、こんなにひどいものではなく、初期の頃程度で覚醒は終了するはずだった。



なのに、あたしは日に日に発作が強くなっていって、大河さんもおかしいと思ってたみたい。



「前も俺たち妖狐に預けられて、その時の記述が残っていた。ナナのように、苦しんだりはしなかったはずなんだ」



選んだ男が悪かったとか言ってたな…。



あたし、軟弱なの?




「これ、お母さんがくれた石…」

「きっと、それであの発作は起きなくなる。母親に感謝だな」

「どうやって身につけたらいいかな?」

「できれば俺たちに触れないようにしてくれ…。俺を焦がすくらいの力があるとなると、高島や村上には相当キツイものだ」



それは困る。



高島さんや村上さんを傷つけたりはしたくないもん。