あんなに怒っていたのに、今は穏やかな気持ちになってる自分に気がつく。



尻尾は相変わらず絡みついているし、このまま一緒に眠ってしまおう。



そっと布団をかけて、大河さんに抱きしめられるような形で目を閉じた。



早く誕生日が来ないかな…。



こんなの、もう無理。



あたしだけじゃなく、大河さんまで体調が悪くなってしまう。



お願い、もう、あの発作はいらない。



眠る前にそう願った。




『好きなんだね、この妖が』



誰…?



これは夢?



『お母さん…?』

『そうだよ、あなたのお母さん。選んだ男が悪かったのかね?こんなに強い力を与えるはずじゃなかったのに』

『どういうこと…?』

『お前の父親が弱い人間だったみたいだ。すまないね。これを身につけておくといい。お前を守ってくれるから。それじゃあね、私のカワイイ子…』



握らされたなにか。



目が開けられなくて、そのまま真っ暗な夢に沈んだ気がした。



あたしの母親、絶世の美女だったなぁ…。