それからお父さんがあたしを今まで守っていたことを教えてもらった。



実際働いていたのは、大河さんの会社で。



貧乏だったのは、目立つ行動を避けるため。



「無職だと思ってたのに」

「バカか。2年も無職なんて、生きていけねぇだろ。給料はちゃんともらってたよ。2年前からなんだ、お前の覚醒が始まったのは」



だから働いていなかった。



あたしをただ、守ってくれていた…。



「大好きだよ、お父さん」

「ナナは本当にカワイイな〜。いつの間にこんなにデカくなったんだ?」

「中学から変わってないもん…」

「本当なら俺、お前にこんな軽い態度取っちゃいけないわけなんだよなぁ〜。ナナ様なんだよな、お前」

「お父さんまでそういうのやめてよ…。悲しいから…」



そんな会話を聞いていた大河さんは、親子なんだから別に構わないと、少し拗ねたように言っていた。



ケータイの番号も聞いたし、これからもあたしのお父さんでいてね?



そんな風に思った夜だった。