狐と嫁と溺愛と

誰にもやりたくないから、誰かが入る隙なんて与えてやらないんだ。



ベタベタして、くっついてて。



「雫がお二人を見てると結婚したくなると言っていました」

「それは困るな。ナナは雫に懐いてる。今いなくなられたら、ショックで泣きそうだ」

「懐いてるだなんて…。奥方様のお世話係りを任されているだけでもありがたいのに」

「よくやってくれてるんだ、雫は。最近は月に裁縫を習ってるしな」

「ふふっ、あの子たちが役に立てているなんて、本当にありがとうございます」



プリンの説明が終わったナナが駆け寄ってきて、目の前でつまずいた。



咄嗟に出した手で、なんとか転ぶのは阻止できたが…。



「走るな、バカ」

「ご、ごめん…」



心配だ…。



また腕を組んで屋敷まで帰る。



「あっ、病院行かなきゃ‼︎」

「もうそんなになるか?」

「うん、あっちで1週間くらい経ってる」

「そうか、まだ週一で通わなきゃならないのか?」

「うん、三つ子だから心配だって」



面倒だな…。