ナナの感情がすぐ顔に出るとことか、マジでヤバイ。



「どんなものにしますか?」

「できればあっちの物に近づけてもらいたいんだが…。軽くて履きやすくて…転ばないようなもの」

「あっちのもの…」

「紙と筆をかしてくれ」



俺が書いたのは、鼻緒タイプのものではなく、サンダルタイプ。



この鼻緒が慣れないんだと思うから。



「素材はできるだけ柔らかいものがいい。できるか?」

「数日いただけたら、なんとかやってみます」

「色違いで何足か頼む」

「光栄ですね、奥方様の履き物を作れるなんて」



そう言われて照れるナナもまた、カワイイだけの生き物。



俺の全細胞を刺激するこの小さい生物は、やっぱり神の子なんだと実感する。



カワイイんだ、何をやっても。



「ねぇ、大河さん、あっちは何があるの?」

「あそこは飲屋街。前に天狗と一悶着あったとこだ。お前は行かなくていいよ」

「うん、そうだね」

「甘いものでも食って帰るか」

「太らないかなぁ〜…」



妖の体になってるのに、そんな心配をするあたり、マジで…カワイイ…。