下駄にあまり慣れてないせいか、歩き方が不自然で危なっかしい。



よし、ナナの履き物を新調しよう。



「街まで行ける?」

「行ける‼︎どこに行くの?」

「いいとこ」



俺の腕にナナの腕を絡ませ、転ばないように配慮。



腹の中のガキよりも、俺はナナの方が大事なんじゃないかと思う。



だから襲いたくなるし、日々妖に近づきキレイになるナナにベタ惚れ中だ。



「あら、当主様。お出かけですか?」

「妻を見せびらかしたくてな」

「それはそれはお熱いことで〜」



街行く妖に話しかけられるたび、ナナの存在をさりげなく褒めたりしちゃうあたり、本当にベタ惚れ。



顔を赤くして『やめろ』と言わんばかりに睨まれるけど。



あぁ、カワイイ…。



数人に声をかけられ、やっと着いた下駄屋。



「邪魔するぞ」

「当主様⁉︎」

「いつも世話になってる」

「いえいえ、こちらこそ。本日はどうしたんでしょう…」

「妻に新しい履き物を作ってくれるか?」



パァッと花が咲いたような笑顔のナナに、心臓鷲掴み。