27大河視点



こちらへ来てから数日、ひたすら紙と戦う。



「蘭月、疲れた」

「そうですね」

「オイ、ナナはどうしてる?」

「奥方様なら、自室で何かを作ってらっしゃいます。楽しそうだと、雫からの報告が」

「飽きねぇな」



子供服を作り始めたナナは、すごく楽しいらしく、夢中で1日着物を縫っている。



ミシンなんて便利なものがないので、全て手縫いだけど。



元から家事は得意だったナナが、ますます家庭的になりつつある。



「当主様、ここ、誤字がございます」

「俺が書いたんじゃない」

「そうですね、書き直させましょう」

「いいだろ、もう…」

「ダメです。こういうことはキッチリやらなければ」



蘭月がうるさいけど、頑張って仕事に励む。



誤字のある書類を書き直させるため、仕上がるまで仕事が進まずにストップしてしまった。



休憩するか…。



静かに覗く、ナナの部屋には無心でチマチマと針と糸を持ってなにかやってる。