それにしても体が熱い。



日に日に濃くなる痣は、何かの模様のようで気味が悪いし…。



大河さん、部屋に戻ってるかな?



自分の部屋を出て、大河さんの部屋に向かうけど、体が熱くてクラクラする…。



壁に体を預け、しばらく動けない。



ヤバい、大河さんのとこまでたどり着けないかも…。



「ナナ‼︎」

「えっ…?」

「オイオイ、大丈夫か⁉︎」

「お父…さん…。お父さんっ‼︎」

「おっと…」



会いたかった人が、急に現れて。



涙で滲む視界の中、今ある力で抱きついた。



「なんで…いるの⁉︎」

「当主様から連絡貰ってな。ナナに、俺たちことを伝えたって」

「やっぱりお父さんも…人間じゃないんだね…」

「おぅ、俺は黒狐だ。これでも偉いんだぞ〜」



相変わらず胡散臭い。



緩い笑顔が懐かしくて、会えたことが嬉しくて。



「ジロー、感動の再会はもういいか?花嫁が弱ってる」

「これは失礼。当主様の部屋で?」

「いい、俺が運ぶ」



お父さんの前で大河さんに抱き上げられた。