狐と嫁と溺愛と

おじいちゃんになるんだもんね、お父さん。



「僕、ちょっと出かけてくるね〜」

「春乃ちゃんとこか?」

「うん、お土産渡して、ちょっとデート。あっちに帰る前に会っときたいし」



シェリル、帰っちゃうのか。



春乃の気持ちが傾き始めてるのに、離れたら気持ちまで離れてしまうんじゃない?



「シェリル‼︎春乃のこと…」

「いいよ、わかってるから。僕、あっちに帰ったらフラれるだろうな〜」

「本気で好きなの…?」

「いいなって思ってるよ?僕だって立場上、そう簡単に花嫁は決められないしね。離れても繋がってたら、それは本物ってことかな〜」



寂しそうな顔をしたシェリルは、その日帰ってこなかった。



春乃とどうなったのかなんて、本人に聞かなきゃわからないし…。



春乃は学校を休み、音信不通。



「大丈夫かな、春乃…」

「節操のない吸血鬼に血液カラにされてんじゃないの?」

「龍之介くんは本当に性悪だね。絶対結婚できないタイプ」

「ははっ、そうかもな」



あっ、ごめん…。