狐と嫁と溺愛と

人の不幸を楽しむかのようなニコニコ顔のシェリル、目が泳いでる志鬼くん。



クイッとメガネを持ち上げた千尋さんは、真っ直ぐ前を見て。



「そ、そうか…」



と、一言だけ言った。



真っ赤な顔の高島さんは、きっと今パニック。



「そ、そうなの‼︎あははっ…。さ、食べようよ‼︎」



仕事中の口調が全く使えなくなってて、この場をどうにかするため、座って話題を変えようとした。



そこで気がついた。



千尋さんの後ろに見える尻尾がパタパタしてることに。



「くははっ‼︎ヤバイ、今すっごく幸せ‼︎」

「なんだよ、ナナ。妊婦ってマジで情緒不安定だな」

「いやぁ〜、生きてるって楽しいね‼︎」



千尋さんもまんざらじゃないんじゃん。



よかったね、高島さん。



「お前さ、スゲー見えてるな…」

「そうなの?みんなは見えないのかな?」

「あぁ、見ようと思わなきゃ見れないし、見たくても見れないヤツだっている」




みんななんの話かわからないみたいで、あたしと大河さんだけがフリフリする尻尾を楽しんでいた。