まぁ、そんなことあたしが考えたってどうしようもないんだけどさ。



「これおいしい」

「そうだろ?たまには外でメシもいいな」

「大人デートだね。こんなの初めてだよ」

「本当はもっといろんなとこに連れてって、ナナを喜ばせてやりたい」

「十分だよ…。あたし、結構満足してるんだよ?旅行とか、そういうのは元から行ったことないし。欲しいものもそんなにない」

「ジローの貧乏生活の賜物だな」



そう言って笑った大河さん。



やっぱりすごくカッコいい…。



「そうだ、ナナ。少しばかりあっちの世界に行かないか?」

「少し?学校と病院があるんだけど…」

「学校の方はなんとでもなる。分身出してもいいし、授業なんてでなくたってナナの卒業は決まってるしな」

「お金ですね、セレブさん…」

「あぁ、タヌキ校長は金が好きだからな」



えっ、校長ってタヌキなの?



前にタヌキは嫌いだって言ってなかった?