狐と嫁と溺愛と

ナイナイナイ。



だって、あたしは普通の人間だもん。



「血も出るし、ケガしたら痛いし‼︎」

「ナナちゃんはね、言わば人間との混血。父親は…適当な人かもね。でも、母親は神様だよ」

「神様ならなんで…あたしを捨てたのかな…」

「捨てたんじゃない。預けたんだよ。ナナちゃんは、神様の世界には行けないからね」

「どうして…?」

「人間の血が入ってるからだよ。神様の国は、そういうとこシビアっぽいから」



神と人間の間に生まれたあたしは、力の強い一族へと預けられた。



あたしを守れと。



あたしを守る代わりに、それなりの対価を払うと。



「対価って…?」

「ナナちゃんと触れ合えば、俺の力は増すんだよ。妖の世界も複雑だし。ナナちゃんは、俺にとって道具なんだ」



道具…。



あたしは…神様の子供…。



「なら大河さんはいつかあたしのことがいらなくなるの?子供を産んだら、もういらない?」

「俺にはナナちゃんを守る義務があるから。ナナちゃんが望むなら、死ぬまでそばにいるよ」



嬉しくもなんともないよ…。