狐と嫁と溺愛と

手、手から何か出たっ…。



大河さんの手から、水色の炎。



逃げる相手に問答無用で投げつけたら、一瞬で燃えて消えた。



き、消えた…。



今、何が起こったの…?



「ひ、人殺っ…」

「えっ?人なんていた?なにも残ってないけど?」

「ど、どういうこと…」

「言いつけを守らなかったナナちゃんに、お仕置きが必要ってこと?」



違うっ‼︎



今、今今っ‼︎



あたしを襲おうとした人が炎に包まれて…消えた…。



「ほら、人なんていないでしょ?焦げたネズミだけだね」

「ネズミ…?」



本当だ。



黒焦げのネズミが、そこにあった。



「で、香水は?」

「へ、部屋に…」

「毎日つけるといいよって、言ったよね?あんな低級に喰われたかったの?」

「意味が…わからないよっ‼︎大河さんに怒られる意味もわからないっ‼︎」

「俺の奥さんでしょ?俺の言うことに従っとけって、言わなかったっけ?」



大河さんが…怖い…。