敷かれていた布団に降ろされ、長い指が頬を撫でる。



あっ、その顔、その表情好き…。



笑って目を細めて。



大事にされてる気分になれる。



「今からメシだ。ナナはここで食べるといい」

「大河さんは?」

「離れであいつらと。俺のテリトリーだからな。一応もてなさないと」

「わかった…」

「この世界から逃がしたくない…。学校も行かせたくないし、一歩も外に出したくない。他の種族にお前を見せてやるなんて、もったいない…」

「そんなに大事にしないで?」

「なんでお前は…俺のものじゃないんだ…。離れるのが…苦しい…」



優しいキスなのに、大河さんの苦しさが伝わってくるようだ。



一瞬も離れたくないって、そう言われてる。



こんなに愛されるあたしは、究極の幸せ者なのかもしれない。



「大好きだよ、大河さん…」



髪を撫でられ、抱きしめられて。



あたしもこのままここにいたい。



初めてそう思った。