狐と嫁と溺愛と

雫ちゃんが出してくれた着物は、今まで着た中で一番キレイだと思った。



着付けも化粧も髪型も完璧。



「変じゃない…?」

「とてもよくお似合いですよ」



雫ちゃんお手製の簪を挿したら出陣。



喉は相変わらずかわいているけど、そんなの気にしてられない。



大河さんの腕を握り、離れに足を踏み入れた。



静まり返ってる離れの中で、椿さんと鬼さんと目が合った。



ニコリと微笑まれ、笑顔で返す。



アズマの横にもキレイな人…。



まさか奥さん?



そして、初めて見る緑色の髪の夫婦。



あっ、龍之介くんの…。



頭も下げず、大河さんの隣に鎮座。



あたしは大河さんの奥さん。



この人たちと同等の立場だ。



ひるんじゃダメなんです。



「本日はお集まりいただき、感謝する」

「挨拶なんていらないわよ。始めましょう」



あら?



椿さんがイライラしてる?



よく見るとツノが生えてて、ふたりとも鬼仕様‼︎