狐と嫁と溺愛と

なんの戸惑いもなく鳥居をくぐると、そこは別宅。



妖の世界だ。



大河さんは妖の姿になり、あたしを抱いたまま玄関へ進む。



「早いご到着ですね、当主様」

「じじいはいるな?」

「はい、お部屋へお通しします」



抱っこされたままあたしと大河さんの寝室へ。



座るくらいはできるので、布団の上で体を起こしてる。



やって来たおじいちゃん先生に診察されるも、お腹の打撲が酷いよ。



紫色になってる〜…。



「顔の腫れはよくなったな。食べられるなら食べるといい」

「さっき食べたよ、お粥」

「そうか、痛いならどうにかしてやるぞ?」

「大丈夫、我慢できるし、薬飲んだよ」

「よし、あとは回復を待つだけじゃ」



とにかくあたしは食べて飲めと。



トイレに行きたくなるからあんまり水分は欲しくないと言ったら怒られた。



だって歩けないんだもん‼︎



大河さんに連れて行かれるなんてもうやだし…。