狐と嫁と溺愛と

眠すぎたせいであまり眠くならない。



そんなあたしのそばにずっといた大河さんは、同じくあまり寝ていない。



朝が来る頃、トイレに行きたくてベッドから降りた。



「わっ‼︎」

「おっと…」



フラついて抱きとめられるという失態。



足に力が入らない…。



「捕まって」

「介護じゃん…」

「看病でしょ?トイレね」



年頃の女の子だなんて、大河さんは考えてもいないんだと思うけど。



羞恥で顔が熱くなる。



トイレまで運んでくれた大河さんは、点滴を持ったままトイレから出て行かない。



「本当に勘弁してください。それくらいどうにかするから…」



あたしの願いを聞き入れてくれて、トイレを済ませても歩けないあたしは、また大河さんに抱っこ。



「眠くない?」

「うん、眠くない」

「ご飯食べようか。早いけど…俺が作るね」



まだ4時。



金次くんは寝てるし、秋銀ちゃんも夢の中だろう。



「テレビでも見てて」



一階のリビングのソファーに降ろされて、テレビをつけても何もやってない。



ニュースすらやってなくて、おもしろくない…。