狐と嫁と溺愛と

大河さんの屋敷から天狗の元までも時間がかかるみたいだし。



「ナナを預かったって連絡来てさ、俺と当主様がブチギレて…。ふたりで乗り込んじゃったんだよな」

「他には誰もいなかったの?」

「あぁ、だからこちら側は無傷。ごめんな、もっと早く助けに行けなくて…」

「いいの、誰も傷つかなかったなら」

「お前が傷ついた…」

「でも生きてる。すぐに良くなるよ」

「ナナは強いな…」



どうやら大河さんが暴れまくったみたい。



不謹慎にも愛されてる実感。



「そろそろあっちに戻ります。半日したら来てください」

「半日って…明日の朝じゃん…。ナナが回復しないからムリ」

「あっちにじいちゃん先生いるから大丈夫ですよ」

「ナナ、朝にあっちに戻るけど大丈夫?」



頷くしかなかった。



もし、あたしがこっちに残って、何かあったら…。



大河さんが壊れてしまうような気がしたから。



あっちの世界の方が安全なんでしょう?