22
お父さんが助けに来てくれた。
それだけで、嬉しいんだけど…。
「ナナ、迎えに来たぞ」
久しぶりに見る妖姿の大河さん。
白い着物が真っ赤なのは見ないことにするね。
床に倒れこんでいるあたしの頭を踏みつけるように足を乗せるアズマに、心底腹が立つ。
「来たな、大河」
「お前は頭が悪いのか?俺にケンカ売って、無事でいられるとでも?」
「いやいや、よく見ろよ。俺は人質取ってんの。殺されたくなきゃ交渉に応じろ」
「はははっ、じゃ、人質から奪還と行くか。目を閉じておけ、ナナ」
それからは一瞬だった。
目を閉じた瞬間には、全てが片付いていた。
「ジロー、頼む」
「ナナっ‼︎」
一瞬、大河さんの腕にいた気がしたのに、あたしはお父さんに抱きかかえられていて。
足と手には鉄球から切り離された鎖が着いている。
何が起こったのか、わからない…。
お父さんが助けに来てくれた。
それだけで、嬉しいんだけど…。
「ナナ、迎えに来たぞ」
久しぶりに見る妖姿の大河さん。
白い着物が真っ赤なのは見ないことにするね。
床に倒れこんでいるあたしの頭を踏みつけるように足を乗せるアズマに、心底腹が立つ。
「来たな、大河」
「お前は頭が悪いのか?俺にケンカ売って、無事でいられるとでも?」
「いやいや、よく見ろよ。俺は人質取ってんの。殺されたくなきゃ交渉に応じろ」
「はははっ、じゃ、人質から奪還と行くか。目を閉じておけ、ナナ」
それからは一瞬だった。
目を閉じた瞬間には、全てが片付いていた。
「ジロー、頼む」
「ナナっ‼︎」
一瞬、大河さんの腕にいた気がしたのに、あたしはお父さんに抱きかかえられていて。
足と手には鉄球から切り離された鎖が着いている。
何が起こったのか、わからない…。