絶対負けたくないからと、あえて同じ学校、同じクラスに編入してくるんだとか。



「秋銀も俺の大事なものなんだ。傷つけられたくない」

「そうだね…。でも、せっかく大きくなれたのに…」




ダメか…。



そう思ったら、頭の上にポンッと大きな手。



「あいつらには世界を学ばせるいい機会かもな」

「あいつ…ら?」

「秋銀が行くなら金次も行かせる。あいつらはまだ離れちゃいけない」

「どうして?」

「何気に双子だぞ?毛色は違うけど、母狐は同じだ。片方だけ贔屓するのはイヤだしな」



それに、金次くんが秋銀ちゃんを心配するからだって。



あたしの護衛という名目で、金次くんを学校に通わせる。



それを次の日ふたりに話したら大喜びで勉強し始めた。



「手続きはこっちでやる。戸籍もねぇから面倒だけど、どうにかしてやるから」

「ねぇ、大河さん…」

「ん?」

「ふたりの名字は?」

「あっ…」



あたしの名字は結婚した時に変わってるけど…。