狐と嫁と溺愛と

仕事を終えてジローと家に帰れば、満面の笑みで飛びついてきたナナを片腕に抱きしめる。



「早いねっ‼︎」



そう言って俺を見上げた顔は、嘘偽りなく、本当に嬉しそうで。



可愛すぎる…。



「父親の前でもイチャつくようになったのか、ナナは」

「あっ、お父さん、いらっしゃい」

「娘が父親離れしてる〜…。当主様はどんな教育してんだ…」



俺は何も言ってないし。



久しぶりの父親より、俺に会いたかったのかと思うと心臓がギュッとなる。



「じ、ジローさんっ…。何で…いるんですか…」



食堂で今から夕食を取ろうとしていた志鬼が、ジローの顔を見て箸を置いた。



相当怯えてるように見えるんですけど。



志鬼になにしたんだか、ジローのやつ…。



「たまには娘の顔見にな。金、俺にもメシ〜」

「ジロー、俺にもいろんなの教えて‼︎強くなりたいから」

「金はまだ無理だろ。もう一回くらいナナの力もらっとけば?妖力小さすぎて殺しそう」



金次も強くなりたいらしい。