隣にいた女が黙ってなかったようで、大河さんを掴むあたしの手を、その女に掴まれた。



「ちょっと、なんなの?」

「お前こそなんだよ。誰の許可得て触ってんの?」

「誰に触ろうと、あなたの許可なんていらないわよ」

「あぁ、そう。さっさと出てけ、これはあたしのだから」



あたしのなんだ。



あたしの大河さんなんだ。



誰にもやらない。



頭がグラグラしてきた。



止まらない。



酔ってるのかな…?



「ふっ…はははっ‼︎」



なんなんだ、この男。



この状況で笑いやがった‼︎



あたしは怒ってるの。



今までにないくらい、怒ってるのに。



「そんなに好きか、俺が」



あたしを試すような目。



この状況を楽しんでいる性悪狐。



それでも好きなんて、あたしも大概頭が狂ってる。



「好き、愛してるの」



そう言って隣の女に見せつけるようにキスをした。



それに応えるように、大河さんはあたしを引き寄せ、深いキス…。