狐と嫁と溺愛と

まさにその通りの大河さんは、やっぱりいつもの大河さんじゃない。



「喰べたいなら喰べればいいよ。だけど死ぬ時は、大河さんの腕の中で死なせてね?」



そう言ったら、フッと笑った。



狂気の中に穏やかさもある。



やっぱり大河さんだね…。



「面白いな、お前は」



そう言って優しいキス…。



こ、これは大河さん…?



いつもの大河さん?



「あいにく、腹は減ってないからな。ちょっと運動してくる」

「どこに行くの⁉︎」

「手始めに龍でも皆殺しに」



やっぱりいつもの大河さんじゃなかった‼︎



ニコッと笑われたけど、そんなの許せるはずもない。



ありったけの力で腕を掴んだ。



「行かないで‼︎」

「どうしてだ?」

「動けないからそばにいてほしい…なんて…」

「は…?」

「寂しいでしょ?寂しくて死んじゃうかもよ?」

「死ねばいい」

「そ、そしたらあたしから力がもらえないんだからね⁉︎」

「…………そうか、それは困る」



よかった…。