狐と嫁と溺愛と

動けないあたし、着物の合わせが全開。



大河さんはゲロまみれで倒れてるし、リンさんは無表情のまま刀を鞘に納めた。



「ふぅ」

「いやいやいや…」

「ご無事でなにより。では、移動しましょう」

「た、立てない…」

「運びます。その前に、帯を直しても?」

「こ、これはっ‼︎あたしが…とりあえず押さえておくんでっ‼︎」



慌てて押さえた着物。



それを見たリンさんが、何も語らずにあたしを抱きかかえた。



「奥方様の必殺技、最高でした」

「ホント、何も言わないで…。大河さんに合わせる顔がない…」

「いえ、本当です。あのままでは、私もあなたも殺されていたと思いますので」



想像以上に怖かったと、リンさんは言った。



大丈夫じゃなかったじゃん…。



このやり方で、大丈夫なの?



「着替える前に体を洗った方がいいかと思いますが」

「双子さんたちにっ‼︎お願いしてください…」



恥ずかしいけど、全く力が入らないんだもん…。