狐と嫁と溺愛と

久しぶりにやってきた別邸は、前となにも変わってない。



「お待ちしておりました、当主様、奥方様、春乃様」

「リン、蘭月、ふたりの部屋の用意はできてるな?」

「もちろんです。タマキ様が庭でお待ちです」



あたしの部屋は前と同じ部屋で、寝室はやっぱり大河さんと同じ。



春乃は近くの部屋で、とりあえずふたりでこちらの和服に着替えた。



「凄くお似合いです、春乃様」

「あたしなんかが着てもいいんですか?」

「当主様の大事なお客様と聞いております。奥方様のご友人で、猫だと」

「こっちに猫の妖はいますか?」

「もちろんいますよ。夜の街にたくさん」



そういえば、お父さんもキャバクラの猫娘を持ち帰ったとか言ってたな…。



猫さんは夜行性なの?



春乃と一緒に着替え終わり、タマキさんに会いに行った。



「お久しぶりです、タマキさん‼︎」

「ふふっ、会いたかったわ、ナナちゃん」

「あたしもタマキさんに会いたかった‼︎お父さんと結婚おめでとうございます」



そう言うと、春乃が固まった。