狐と嫁と溺愛と

それを大河さんに話すと、ゲスト扱いで連れてってもいいって。



もちろん、春乃は旅行気分でウキウキ。



あたしは少し、気分が重い。



妖の敵である陰陽師の血を引くあたしなんか、歓迎されないんじゃないかと…。



前回はわからなかったことだし…。



とにかく不安でいっぱい。



「よぉ、ナナ」

「お父さん…」



あっちに行く前日、お父さんがやって来た。



あいかわらず胡散臭い。



だけど顔を見るとホッとする…。



「何に怯えてんだ、お前は」

「えっ…?」

「ガキの頃からの癖だろ、その、悩んでると髪の毛クルクル指に巻きつけるの」



無意識にそんなことをしていた。



自分じゃ気づかなかった癖を、お父さんに指摘された。



「小2の時イジメられて、中1ん時は反抗期。その他もいっぱいあるけど、毎回それやってるから」

「そう…だったんだ…」

「まぁ、一応親だったからな」



お父さん…だったんだね、ちゃんと。