狐と嫁と溺愛と

おじいちゃん先生が言うには、あれっぽっちじゃこの前みたいなことにはならないと。



どれほど摂取したんだと…。



「初めてにも関わらず避妊しなかったのがまずかったか…」



ボソッとそう呟いた大河さんの足を思い切り踏みつけた。



お父さんがいるんだってば‼︎



だけどお父さんはなんにも気にしてないようで、複雑な気分のあたし…。



「とりあえず、俺が会社を回す」

「任せた、ジロー。分身も限界の頃だ」

「任せれましたよ、当主様」



こうして、あたしと大河さんがまた妖の世界へ旅立つことが決まった。



夏休み中だし、あたしの存在を気にするのは春乃くらい。



「えっ⁉︎妖の世界なんてあるの⁉︎行ってみたい‼︎」



理由を話したら、そんな返事が返ってきた。



春乃はいわば妖初心者。



春乃のお母さんは人間で、妖について教えてくれる人が周りにいない。



興味を持つのも当然のことなのかも…。