そのまま目を閉じ、死んだように眠った大河さん。



相当ムリをして動いてたんだ。



体を触ると、まだ熱くて。



冷たいタオルをおでこに置いた。



あたしがこんなんじゃなきゃ、普通に愛してもらえたかな?



いっそ、妖として生まれたかった。



大河さんと同じ価値観で、何の障害もなくて。



「どうしたら、妖になれるの?」



大河さん、こんなに好きなのに。



どうして周りの人を苦しめなきゃいけないの?



泣いても泣いても、涙は出てくる。



大河さんの言葉は、きっと本心だろう。



いつもなら言わないよね?



優しい大河さんだから、きっと黙ってると思う。



あたし、もうヤダよ…。



あなたを苦しめたくない。



ごめんね、大河さん。



「悩むな…」

「大河…さん…?」

「そばにいてくれよ…。それだけで、俺は幸せだから…。どこにも行くな。俺のそばに…」



寝言かと思った。