狐と嫁と溺愛と

あんなチャランポランなオヤジ、娘の旦那にしたくなくない?



でも、ふたりとも喜んでるってことはやっぱりお父さんって優秀なのかな…。



「ナナさん、こちらの世界はどうかな?」

「あっ、思っていたより怖くなかったです。食わず嫌いはよくないって、学習しました。挨拶が遅くなってしまったこと、本当に申し訳ありません」

「いいんだよ。徐々に慣れてくれれば」

「なんかもぅ…あたしなんか何もしてないのに…みんな優しくしてくれるんです…」



なぜだろう。



泣きたくもなかったし、泣く気もなかったのに。



ブワッと涙が溢れて止まらなくなった。



「気を張っていたんだね。少し無理をさせたしまったかな?」

「いえっ…あたしが弱いからっ‼︎」

「次は祭りにでも来るといい。自分の故郷だと思って、気楽にね?」



パパは究極に優しかった。



思っていた人と全然違っていて、暖かさに包まれただけで終わった、舅と姑への挨拶。